愛称がなかのと姫みかんに決まった中能登町産ミカン=同町の道の駅

愛称がなかのと姫みかんに決まった中能登町産ミカン=同町の道の駅

石川県 特産

愛称「なかのと姫みかん」 栽培5年、新たな名物に

北國新聞(2020年12月21日)

 今冬に市場デビューした中能登町産のミカンの愛称が20日までに、「なかのと姫みかん」に決まった。販売を担う地元の道の駅の名前にちなんだ分かりやすい名称とし、今後はロゴマークも作成して周知を図る。町内でミカン栽培が始まって5年目、生産者は町が特産化を目指す「カラー野菜」に続く新たな名物にしたいと意気込んでいる。
 ミカンは12月に入り同町の道の駅「織姫の里なかのと」で販売が始まった。同駅の役員会で愛称を検討し、「中能登みかん」など5候補の中から決めた。道の駅の名前にちなんで「姫」を盛り込み、「中能登」と「ミカン」は親しみやすいよう平仮名にした。
 町内では色が濃く、栄養価が高いとされるネギやダイコンなどの「カラー野菜」が普及しているものの、果物はほとんど町外産だった。地元の生産者が地場産の果物の販売品目を増やすため、台風の影響を受けにくく、県内で栽培農家が比較的少ないミカンに着目した。
 ミカン栽培は2016年から始まり、大規模な畑が必要としないことなどから生産者が年々増え、現在は38軒で育てている。栽培品種は「宮川早生(わせ)」で、糖度は10%ほどで甘酸っぱいのが特長。実はやや堅めで、しっかりとした食感がある。
 ただ、初出荷までの道のりは平たんではなかった。当初は昨年12月の市場投入を目指していたが、昨年は寒さで実が凍る「凍害」に見舞われ、十分な収穫量を確保できず断念した。ある生産者は「1年越しの市場デビューとなっただけに、拡販に結び付けたい」と力を込める。
 道の駅の店頭では1袋1キロ入りが450円程度で販売されており、地元住民らが購入に訪れるほか、リピーターも徐々に増えているという。今シーズンは来年1月ごろまで出荷し、総出荷量は約300キロを見込む。
 北口学店長は「かわいらしい愛称が広まって、町の農産物の新たな目玉になってほしい」と話した。

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