青竹をたたき割る若衆=2020年2月10日、加賀市大聖寺敷地の菅生石部神社

青竹をたたき割る若衆=2020年2月10日、加賀市大聖寺敷地の菅生石部神社

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1300年続く御願神事、コロナ仕様で継続 加賀・菅生石部神社

北國新聞(2021年1月17日)

 加賀市大聖寺敷地の菅(すご)生(う)石部(いそべ)神社は16日までに、2月10日の県無形民俗文化財「御願神事」について、神事の短縮や入場制限を設けた上で実施することを決めた。県内外から大勢の観光客が訪れるため氏子からは「中止もやむなし」との意見が出たが、太平洋戦争でも休まず、1300年以上続く伝統を絶やさないよう、コロナ仕様に変更し、密を回避して継続する。
 御願神事は、677年に天武天皇の勅願で国家安寧を祈願したことが起源とされ、「竹割祭り」とも呼ばれる。さらし姿の若衆が無病息災と五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈って竹をたたき割り、大蛇に見立てた大縄を大聖寺川に投げ入れる奇祭で、毎年県内外から千~3千人が訪れる。
 若衆が大声を出すことや、不特定多数の観客が密集するため、氏子から中止を検討すべきとの声も挙がったが、協議を重ね、伝統ある神事を継承すべく実施を決めた。
 ことしは若衆の参加を例年の30人から10~15人程度に減らした上で、1人10本ほど割っていた竹は5本程度とする。大縄は境内を3周回ってから川に投げ入れていたが、今回は神社から川に直接向かうなど、時間短縮を図る措置を検討している。
 境内の「密」を避けるため、ソーシャルディスタンス(社会的距離)が保てる人数だけを入場させる。制限者数は今後決める。写真愛好家も多く集まることから、御願神事保存会が実施してきた「写真コンテスト」(北國新聞社後援)は取りやめる。
 魔よけや健康の御利益があるとされる割れた竹は、後日も取りに来られるようにするとし、野根茂治宮司(55)は「戦時中も行っていた神事を絶やしたくはない。様々な障害はあるものの、悪疫退散の想いも込め実施したい」と話した。

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