福井県福井市殿下地区で捕獲されたイノシシを使ったラーメンを味わえる「福亥軒(ふくいけん)」が2月14日、同市畠中町の「かじかの里山殿下」にオープンした。同地区で地域活動に取り組む男性が冬季限定で出店し、今年で3年目。サイドメニューも工夫を凝らしている。
害獣として駆除されるイノシシは、ほとんどが廃棄される。林業の傍ら狩猟も行う男性が活用策を模索し、2019年に「殿下福亥のししラーメン」を考案。妻らと協力し、冬季のみの出店ながら2年で約1700食を売り上げた。
地区内にジビエの処理場があり、捕獲から精肉処理まで短時間でできるため、臭みが少ない肉を提供できる。骨を煮込んだスープもクセのなさが特徴。昨年まではみそ味だったが、今年はしょうゆ味に挑戦し、さっぱり風味に仕上げた。
オープン当日、多くの客が訪れ舌鼓を打った。男性は「使い方次第で地域に元気を与えられる」と笑顔を見せていた。
1杯千円(税込み)のラーメンのほか、イノシシカレーなどもある。営業は土日のみで午前11時半~午後2時。3月14日まで。