白山市八幡町の知田(ちだ)工房で、春祭りを前にした獅子頭の修繕作業が佳境を迎えている。今年は祭りの中止が相次いだ影響で依頼は例年より少ないが、工房内は既に修繕を終えた獅子頭が並び、出番を待っている。
同工房には例年、春祭りを前に5、6体の獅子頭が持ち込まれるが、今年は七尾市能登島から2体の依頼があるのみだった。職人の知田善博さん(58)が腕を振るい、切れたひもや欠けた耳などの補修を進め、今月中に修繕を終える。
知田さんによると、新型コロナウイルスによる祭りの中止で、昨年秋から加賀獅子の出番が減っているという。知田さんは「今後の予想ができない状態が続くが、なんとか伝統をつないでいきたい」と話した。