加賀市のまちづくり団体「歴町センター大聖寺」は19日までに、「歴町ふるさと館」として活用している同市大聖寺八間道の旧北陸鉄道加南線の車両を地域住民の作品展示スペースとして開放した。敷居の低さを売りに、子どもからお年寄りまでが気軽に立ち寄れる空間として活用してもらう。第一弾は地元の錦城小児童が大聖寺の歴史をまとめたポスターを掲示した。
展示場となる車両は、全長17メートル、幅2・8メートル、高さ3・9メートルの1951(昭和26年)製の1両で、2006年に北鉄から無償で譲り受けた。地元の児童生徒に郷土愛を育んでもらおうと、「歴町ふるさと館」と名付け大聖寺藩邸のジオラマや市出身の偉人を紹介するパネルを展示している。
同団体によると、大聖寺地区では住民の趣味の作品などを展示できる場所が少なく、美術館ほど気を張らず、気軽に出展できる場として車両を活用することにした。
第1弾の展示は4月下旬までで、錦城小6年生62人が「江沼神社の歴史」や「大聖寺の街並み」などをテーマに卒業研究で取り組んだ発表ポスター20枚を掲げた。1月に同団体が江戸期の古地図から作った大聖寺地区のマップを同小に寄贈したことが縁で企画された。
ポスターを作った籠谷(かごや)琥(こ)那(な)君(12)は「たくさんの人に見てもらい、大聖寺の新しい発見をしてほしい」、同小の越中谷法昭校長は「地域の人の目に触れることで、子どものやりがいにつながる」と話した。
展示、入場料はいずれも無料。個人や団体ごとの展示期間は約1カ月。開館時間は午前9時~午後4時、火曜休館。毛利修理事長(72)は「散歩がてらに気軽に寄ってもらい、作品などはもちろん、大聖寺の営みを感じてもらいたい」と語った。