完成した烏瑟沙摩明王像の彩色画。奥に祭られているのが木像

完成した烏瑟沙摩明王像の彩色画。奥に祭られているのが木像

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「トイレの神様」彩色画完成 高岡・国宝瑞龍寺で公開

北日本新聞(2021年5月20日)

 国宝瑞龍寺(富山県高岡市関本町)の法堂(はっとう)に祭られ、「トイレの神様」として知られる烏瑟沙摩(うすさま)明王像の彩色画が完成した。木像の明王像はもともと極彩色だったとされるが、広範囲で顔料が剥げ落ちており、同寺が彩色調査を進めていた。全体に色が施されていた姿を再現したもので、20日に行われる「利長忌」に合わせ参拝者に公開する。

 明王像は室町時代以前の作と伝わる。高さ117センチは烏瑟沙摩明王像としては国内最大級。汚れや悪を焼き尽くして清める強い力を持つとされ、禅宗寺院の東司(とうす)(便所)に祭られることが多い。

 昨年9月から、文化財の彩色復元を専門とする京都の業者に依頼し、部分的に残る顔料などを手掛かりに調査を進めてきた。肌の部分は鮮やかな群青色で、まとっている衣には空想上の花「宝相華(ほうそうげ)」や獅子とボタンなどの文様が施されていたことなどが分かった。

 彩色画は木像とほぼ同じサイズに仕上げ、20日からしばらくの間、参拝者に公開する。

 四津谷道宏住職は「極彩色の像は迫力があったと思う。今の姿も良さはあるが、昔の雰囲気も見てもらいたい」と話している。

 今後、寺が所蔵する高岡銅器製のレプリカ像に着色し、当時の姿に近い形で再現することも検討している。

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