氷見市で棚田を都市生活者に貸し出す「棚田オーナー事業」の田植えが22日、「日本の棚田百選」に選ばれている長坂地区で行われ、県内のオーナー8組31人とボランティア8人が富山湾を望みながらコシヒカリを丁寧に植え付けた。
棚田保全と地域活性化を目的に1999年度に始め23年目。本年度は県内外31組がオーナーになったが、新型コロナ感染拡大のため県内参加者のみとした。
長坂地区は古民家を利用した滞在型観光へ向け準備中。藤井隆区長(67)が「長坂は変わろうとしている。応援を願いたい」とあいさつし、地元農家でつくるグループ「椿衆」のメンバーが植え方を説明した。
オーナーたちは腰に苗を入れるかごを着け、田んぼの目印に合わせて手植えした。仲間とボランティアで参加した高岡市博労町、会社員、近藤沙紀さん(28)は「ふだんはデスクワークなので土の感触がめっちゃ気持ちいい。地元の人とも話せて楽しい」と話した。
2001年度からオーナーを続けている射水市南太閤山、同、家城(いえき)昭博さん(62)が永年継続の表彰を受け「名誉村民」となった。
年間のオーナー料金は1区画(100平方メートル)3万円。9月に稲刈りとはさ掛けがあり、10月中旬には新米40キロが届けられる。