木曽地方の初夏の味覚「ほおば巻き」作りが本格化している。米粉の餅をホオノキの葉で包んで蒸すと、ほんのりと香りが移る。木曽郡王滝村の菓子店「ひめや」では11日、店主の宍戸みをさん(37)らが早朝から大忙しだった。
枝につながったままの長さ30センチ近くの葉を丁寧に延ばし、畳むように餅を包み、い草でしばる。「今年は霜やひょうもなく、風もおだやかだったので傷みが少ない。山の香りで元気になってくれたらうれしいです」と宍戸さん。
つぶあん、こしあん、白みそベースのゆずあん、くるみあんを用意。4人がかりで約1千個を作り、せいろで蒸して仕上げていった。全国への発送にも追われ、7月中旬まで忙しい状態が続く。