発泡酒「安曇野わさびスパークリング」

発泡酒「安曇野わさびスパークリング」

長野県 白馬・安曇野

爽やか、ワサビの発泡酒 安曇野の農家発売

信濃毎日新聞(2021年6月19日)

 新型コロナによる外食自粛で販売が低迷する安曇野市特産のワサビの需要を盛り上げようと、同市穂高のワサビ農家、松本遊穂さん(41)が、ワサビを使った発泡酒を開発し、18日発売した。ワサビのすっきりとした風味と辛みが感じられる爽やかな味わい。「安曇野わさびスパークリング」と名付け、池田町の大雪渓酒造などで販売している。「若い世代や女性らにアピールし、ワサビの魅力を伝えたい」としている。

 松本さんは60アールの畑で年間6万本ほどのワサビを生産する。首都圏や関西の日本料理店などに生ワサビを出荷してきたが、外食自粛で飲食店向けの販売量はコロナ前に比べて3割ほど減少。価格が安い加工用に回すなどしてきた。新たな活用法を模索する中、つながりがある大阪府内の酒類卸業者などと連携し、発泡酒の商品化を企画。新潟市のクラフトビールメーカーに製造を依頼し、昨年から試作を進めてきた。

 こだわったのは生ワサビの風味と辛味を生かすこと。添加物や着色料を加えず、根茎を刻んで搾った汁を、発酵過程の麦汁に加えた。アルコール度数は4・5%で、飲みやすく仕上げたという。松本さんは感染収束後の外国人旅行者の需要も想定し、「飲食店や観光業など地域の活性化のきっかけになればうれしい」と話している。

 310ミリリットル瓶で1本550円(税込み)。初回分として768本を製造した。販売状況に合わせて追加生産する計画という。

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