コロナ禍で能美市特産「加賀丸いも」の出荷が伸び悩む中、JA根上はハチバン(金沢)とタッグを組み、新メニューを考案した。7月1日から、白山市の北陸自動車道徳光パーキングエリア(PA)でハチバンが経営する「金澤エイトキッチン」で特製とろろざるそばを販売する。各地から訪れるドライバーや観光客に魅力をアピールし、出荷の回復と消費拡大につなげる。
今シーズン、JA根上は昨年11月に出荷を始めたものの、感染拡大の影響で関西の取引先から受注キャンセルが相次いだ。加賀丸いもは山芋の一種で、栄養価が高く、強い粘り気が特長だ。JA側も「何か打開策はないか」と粘り腰で検討を重ねた。
ハチバンに加賀丸いもを使ったメニューの導入を打診したところ、困っている農家の支援と特産品の応援につながるなら、と快諾を得た。徳光PA上下線で展開する「金澤エイトキッチン」で、すりおろした丸いもをかけた「冷やしとろろそば」(税込み680円)として9月下旬まで提供する。
同PAは旅行や仕事の合間に立ち寄る人が多く、同JAは効果的に加賀丸いもをアピールできると期待を寄せる。同JA加工部会の浜田加代子代表は「困っていた矢先に救世主が現れた。より多くの人に丸いもの良さを売り込み、消費向上につなげていきたい」と話した。