福井県福井市は7月14日、高知市と観光プロモーション・パートナーシップ協定を締結すると発表した。幕末の志士・坂本龍馬と福井藩の交流が縁となった。同市立郷土歴史博物館の夏季特別展「龍馬と福井」(福井新聞社共催)の開幕に合わせ高知市長が来県し21日、東村新一市長と締結式に臨む。本年度は、そっくりさんなどを募る現代の龍馬コンテストや京都市での合同観光PRを展開していく。
各地に多くの協力者がいた龍馬にとって、福井藩は代表的な後ろ盾の一つ。龍馬が勝海舟の命で海軍操練所の建設資金を借りに福井藩を頼った際には、藩主松平春嶽が大金を融通し、近代日本の夜明けのために奔走する龍馬に大きな期待を寄せたとされる。また、由利公正とは福井を訪れた際に日本の将来を語り明かしたとのエピソードも残る。
このような深い関わりから2004年には、福井市立郷土歴史博物館と高知市立龍馬の生まれたまち記念館とが、同時期にオープンしたこともあり姉妹館提携を結んだ。19年度からは、両市会が主導する形で、関わりを生かした誘客連携の議論が始まり、協定締結の機運が高まった。
協定締結の第1段の取り組みとして、龍馬のそっくり具合やなりきり度を競う「令和の坂本龍馬コンテスト」を実施する。全国のゆかりの都市の協力も得て、21日からSNSで募集を始める。龍馬の命日の11月15日には、両市が京都市で合同の観光PRを実施する予定で、コンテストの決勝大会も行う。
福井市立郷土歴史博物館の特別展(~8月26日)では、北陸初公開となる龍馬の直筆書簡を中心に約40点を展示し、龍馬と福井藩との絆に迫る。8月21、22日には高知市の物産展がハピテラスで予定されている。
福井市の同協定締結は、北陸新幹線県内延伸後の交流人口拡大を図るため長野市と2013年に締結して以来2都市目。福井市はこのほか、国内外6都市と友好・姉妹都市となっている。