幕末の志士・坂本龍馬と福井藩の交流を紹介する福井県の福井市立郷土歴史博物館の夏季特別展「龍馬と福井」(福井新聞社共催)は、7月21日開幕する。重要文化財をはじめ、北陸初公開となる龍馬の直筆書簡を中心に約40点を展示し、龍馬が頼りにした福井藩との絆に迫る。開幕に合わせて福井、高知の両市長が出席し、観光プロモーション・パートナーシップ協定の締結式が行われる。
各地に多くの協力者がいた龍馬にとって、福井藩は代表的な後ろ盾の一つ。福井藩主だった松平春嶽をはじめ、三岡八郎(由利公正)ら家臣団は龍馬の知恵袋的な存在だったとされる。特別展は▽龍馬を導いた人たち▽龍馬の書簡▽龍馬と福井の仲間たち―の3部構成で、新たな国家づくりを目指した同志たちを紹介していく。
北陸3県で初公開となる直筆書簡「おりょう宛坂本龍馬書簡」は、唯一現存する妻おりょう宛ての手紙。重要文化財「坂本龍馬関係資料」の一部である「坂本龍馬桂小五郎遺墨」に含まれる書簡類も、展示替えの前後で計14点紹介する。
姉の乙女宛てにしたためた「坂本乙女宛書簡」には「日本(ニッポン)を今一度せんたくいたし申候」の有名な一文が記され、龍馬暗殺の5日前、春嶽の側近・中根雪江に宛てた書簡には「新国家」の文言がある。20日にはこれらの品々の展示準備が進み、開幕を待つばかりとなった。
展示は8月26日までの午前9時~午後7時(8月2~4日は展示替えのため休館)。観覧料は一般700円、高校・大学生500円、チケットの半券提示で2回目以降は400円。中学生以下、70歳以上、障害者と介助者は無料。問い合わせは同博物館=電話0776(21)0489。