六曲一双の屏風「蛟龍」など牛人の大作が一堂に並ぶ会場=県水墨美術館

六曲一双の屏風「蛟龍」など牛人の大作が一堂に並ぶ会場=県水墨美術館

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孤高の篁牛人 画業たどる 県水墨美術館

北日本新聞(2021年8月12日)

 富山市の孤高の画家、篁牛人(たかむらぎゅうじん)(1901~84年)の画業をたどる「生誕120年 篁牛人展 昭和水墨画壇の鬼才」が11日、県水墨美術館で開幕した。渇いた筆で墨を麻紙に擦り込む「渇筆(かっぴつ)」の技法を駆使した約50点を展示。美術ファンが独創性あふれる水墨画の大作や彩色画に見入った。9月26日まで。 

 牛人は婦負郡桜谷村(現富山市)の浄土真宗の寺院に生まれた。県立工芸学校(現高岡工芸高校)を卒業後、工芸図案家として活躍した。終戦の前年に応召して東南アジアを転戦。復員後、40代半ばで水墨画を描き始め、渇筆と繊細な筆線が響き合う画風を確立した。

 会場には六曲一双の屏風(びょうぶ)「蛟龍(こうりゅう)」「風神雷神」などの大作や、戦時下で過ごした東南アジアを題材にした彩色画が並ぶ。時代順に序章と1~3章に分け、波乱に満ちた牛人の画業を伝える。図案を手掛けた屏風や素描、愛用した筆やすずりなどの画材も展示した。

 開会式で新田八朗知事と瀧脇俊彦北日本放送社長、駒澤北日本新聞社長があいさつ。来賓として出席した牛人の孫、篁涼(りょう)さん(71)=東京都=は「富山の皆さんに支えられて立派な展覧会を開いていただき、感謝している」と涙ながらに語った。

 同展は県水墨美術館と北日本放送、北日本新聞社でつくる実行委員会と県、日本経済新聞社主催。

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