オリーブ初搾りを行う組合員=11月8日、福井県福井市白方町の加工場

オリーブ初搾りを行う組合員=11月8日、福井県福井市白方町の加工場

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三里浜オリーブ初搾り、特製オイル商品化へ 栽培5年目、福井県福井市の生産組合

福井新聞(2021年11月9日)

 福井県福井市の三里浜砂丘地の農家が特産化に取り組むオリーブの初搾りが11月8日、同市白方町の加工場で行われた。2017年の栽培開始から5年目。本格的な商品化に向け今年導入した搾油機から、香り豊かな黄金色のオイルが搾り出された。生産組合の村嶋哲郎組合長(67)は「『砂丘地のオリーブ』のブランドを確立し、多くの人に味わってもらいたい」と意気込んだ。

 オリーブの栽培は、休耕地の活用と防風防砂を兼ねて、市と地元農業者でつくる協議会が始めた。現在は6ヘクタールで栽培。今年は開花時期の長雨の影響で、収穫は昨年の半分ほどの約140キロを見込んでいる。

 この日は農家らが朝から作業し、鈴なりの実を丁寧に摘み取り約100キロを収穫。苗作りなどで協力する福井農林高生も手伝った。

 市の補助を受け搾油機2台を導入した加工場では、先進地の京都府宮津市の生産担当者を招き、組合員ら約20人が搾油作業を行った。選別、洗浄した実を機械に投入。細かく砕きペースト状にしてから遠心分離させると、投入から1時間半ほどで黄金色のオイルが抽出された。

 初搾りを味わった組合員らは「爽やか」「フレッシュ」などと出来栄えを確認。地域おこし協力隊員として栽培に携わる女性(47)は「丁寧に栽培してきた分、感動もひとしお」と喜んだ。今後さらにろ過し透明なオイルが完成する。残りの実は塩漬けにし、搾りかすの化粧品利用も探る。

 オイルは真空パックで保存し12月ごろから、市のECサイト「ふくいさん」などで販売する予定。市食のPR大使で人気グループ「EXILE」のメンバー橘ケンチさんも製品化に携わる。村嶋組合長は「今後は栽培も増やし、稼げる農業を目指す。魅力を広く発信し、若い担い手育成にもつなげたい」と話していた。

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