カモなどの狩猟が石川県内で一斉に解禁された15日、加賀市片野(かたの)町のラムサール条約登録湿地「片野鴨池(かもいけ)」で石川県有形民俗文化財の「坂網猟(さかあみりょう)」が始まった。猟師23人が夕暮れ空に飛び立つマガモめがけて逆三角形の網を投げ、初日は11羽を捕獲した。
大聖寺捕鴨(ほこう)猟区協同組合に所属する30~80代のメンバーが身を潜め、カモが飛び立つ瞬間、網を12メートルの高さに勢いよく投げ上げた。山下範雄理事長(72)は「天候が穏やかで、猟場近くに鴨が集まっていたので上々の滑り出しになった」と話した。
秋田県などで今季全国初の高病原性鳥インフルエンザが確認されたことを受け、組合は番小屋前に消石灰を散布した。
かほく市内では県猟友会金沢支部の山下勇さん(78)らがカモやキジに狙いを定めた。狩猟期間は来年2月15日まで。県内ではマガモなどの鳥類26種、タヌキやキツネなどの獣類20種が対象。農林業被害防止のためイノシシとニホンジカの猟期が延長され、2月末まで猟銃、3月31日まで箱わな猟ができる。
県自然環境課によると、クマの捕獲数は8日現在、大量出没した前年の同時期に比べて104頭少ない36頭で捕獲上限は126頭となっている。