木に親しみ、豊かな感性を育む「木育」を進めようと、木曽町の建築士稲田優子さん(40)が、町内の伐採業者、大工、空間デザイナーとグループ「mokumoku」を作り、活動を始めた。自身の子どもが木の遊びに夢中になるのを見て発案。21日は初の催しを町内で開き、小さな子ども連れの家族が訪れた。
稲田さんには5歳と3歳の子どもがいる。仕事場の木片やかんなくずで熱心に遊ぶわが子を見て、他の子にも体験してもらおうと考えた。所属する子育てサークルの催しで木育の場を設けたところ好評だった。本格的に進めるには仲間が必要と考え、仕事で付き合いがあり、いずれも木に関する仕事をしている伐採業の千村格(いたる)さん(46)、大工の田代修司さん(42)、空間デザイナー山下勝彦さん(46)に相談。参加を快諾された。
21日は移動飲食店が集まるイベント会場近くに場所を借りて開催。来場者は木片で工作。かんなくずのプールもあり、「ここで寝ていい?」と母親に尋ねる子もいた。
地域では少子化の影響で大工や伐採業者の確保、技術伝承が課題になっているという。稲田さんは「参加者から後継者が出てくることも願っている」と話していた。