おひねりが投げ入れられる舞台で演技する小中学生

おひねりが投げ入れられる舞台で演技する小中学生

長野県 伊那路 祭り・催し

拍手湧いた、下條歌舞伎 2年ぶり有観客の定期公演

信濃毎日新聞(2021年11月24日)

 約300年前から下條村に伝わる下條歌舞伎の保存会が23日、2年ぶりに観客を入れた定期公演を村コスモホールで開いた。大人中心の保存会、小中学生、保育園児の3団体が力強い演技を披露、約250人の観客を魅了した。

 新型コロナのため昨年は無観客。今回、小中学生は、本能寺の変を題材に明智光秀の一族を描いた「絵本太功記(たいこうき)十段目尼ケ崎の段」を披露。光秀役の下條中2年の下平陽斗(はると)さん(13)が竹を切り落とす場面で見得(みえ)を切ると、客席からおひねりが投げ入れられ、拍手が湧いた。下平さんは「お客さんに伝わっていると分かりうれしかった」と話した。

 保存会は「奥州(おうしゅう)安達原(あだちがはら)三段目袖萩祭文(そではぎさいもん)の段」を披露。駆け落ちして物乞いになった女性袖萩が娘を連れて語る哀愁に満ちた場面が観客を引きつけた。鑑賞した村内の吉村昭雄さん(86)は「人の心の温かさや苦しさを直に感じることができました」。今後、動画投稿サイト「ユーチューブ」で動画を公開する。

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