拝殿(右)と本殿(奥)を結ぶ雨よけの囲い(赤丸部分)。約120年ぶりに撤去される=羽咋市の気多大社

拝殿(右)と本殿(奥)を結ぶ雨よけの囲い(赤丸部分)。約120年ぶりに撤去される=羽咋市の気多大社

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羽咋・気多大社 本殿120年ぶり元の姿に

北國新聞(2021年11月24日)

 気多大社(羽咋市)で今月、国重要文化財の本殿が約120年ぶりに築造当時の姿を取り戻す。現在の本殿は1787(天明7)年に建てられたが、明治中期以降に造られた雨よけの囲いで前面の拝殿と連結されていた。老朽化した囲いが近く取り壊わされ、藩政期に建てられた本殿は来月から特別祈願で公開される。

 気多大社は神門をくぐると拝殿があり、その奥に本殿が立つ。本殿に向かって右には白山神社、左には若宮神社(以上、国重要文化財)が並び立ち、神々をまつる。

 本殿は棟札の記述から、加賀藩御大工頭、清水次左衛門峯充(みねみつ)によって建てられたと伝わる。檜皮(ひわだ)ぶきの屋根は両流造(りょうながれづくり)と呼ばれる構造で、四方の縁には高欄(欄干)が設けられている。1881(明治14)年に旧内務省に届け出られた本殿の立面図には囲いの表記はなく、その後に設けられたとみられる。

 気多大社によると、本殿には神職しか立ち入れない。本殿と拝殿の間は約4メートルあり、囲いができる前は、拝殿奥の扉を開いて本殿を拝んでいた。囲い完成後には、神職が拝殿から囲い内の通路を通り、階段を上って本殿に至っていた。

 囲いがなくなると、本殿と、同年建立の白山神社、1569(永禄12)年に能登守護畠山義綱により再建された若宮神社の前の通り抜けが可能となり、大社の歴史をより深く感じることができる。

 12月1日から31日までの年末禊(みそぎ)の特別祈願と、12月1日から来年2月28日までの初詣の特別祈願では、本殿の扉が開けられ、その手前まで参詣者が進み、本殿内を拝むことができる。特別祈願はともに初穂料5千円以上納めた人限定となる。

 三井孝秀宮司は「囲いの修繕も検討したが、本殿を歴史的な本来の姿に戻すべきと考えた。神さまのより一層近くでお参りしてほしい」と話した。

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