スポーツや演劇を楽しむ作家の姿を紹介した企画展=福井県福井市橘曙覧記念文学館

スポーツや演劇を楽しむ作家の姿を紹介した企画展=福井県福井市橘曙覧記念文学館

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文豪のたのしみは何? 福井市橘曙覧記念文学館で企画展

福井新聞(2022年4月26日)

 明治以降の文学者の趣味や楽しみに焦点を当てた企画展「作家たちの休日」が、福井県福井市橘曙覧記念文学館で開かれている。水泳が得意だった芥川龍之介の水着写真や、おおい町出身の直木賞作家、水上勉さんと瀬戸内寂聴さんとの演劇での一幕を紹介したパネルなどが並ぶ。5月10日まで。

 一般的な文豪のイメージとは違った、趣味など活動的な側面も知ってもらおうと企画。スポーツや温泉、料理といったテーマ別に、作家の横顔を著作とともに紹介している。

 川端康成の「伊豆の踊子」は、19歳で伊豆を旅した実体験を基に書かれている。温泉と温泉ならではの匂いが好きだったことを自著に記している。橘曙覧は石川県の山中温泉を訪れ、「こおろぎ橋」の辺りで酒を飲み、良い気分になった様子を歌にしている。

 作家が出演する演劇「文士劇」に関しては、瀬戸内寂聴さんが水上勉さんとの共演を回顧した一場面をパネルで紹介。近年では東野圭吾さんや京極夏彦さん、宮部みゆきさんら人気作家が出演した作品もあったという。

 競馬を愛した作家たちにも焦点を当てた。菊池寛や吉川英治は、競走馬を所有し「馬主文士」と呼ばれていた。小説や随筆にも馬への愛情が表現されており、意外な一面をのぞくことができる。

 担当者は「作品を読むだけでは知ることができない姿にも触れてもらい、改めて作品を読む契機にしてほしい」と話していた。

 午前9時~午後5時15分。観覧料は100円で、中学生以下と70歳以上、障害者手帳の保持者は無料。問い合わせは同館=電話0776(35)1110。

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