七尾市で3日に開幕する青柏祭(せいはくさい)に向け、山車(だし)「でか山」を巡行する三つの山町のうち、鍛冶町と府中町が1日、でか山の試し曳(び)きを行った。3年ぶりとなる巡行を前に、各町の若衆が新型コロナの感染対策に気を配りながら、むしろで覆われた完成間近のでか山を威勢良く引き、本番に向け気合を入れた。
鍛冶町は大地主(おおとこぬし)神社、府中町は印鑰(いんにゃく)神社に若衆らが集まった。勇壮な木遣(きや)り唄に続き、「エーンヤー」との掛け声に合わせて一斉に綱を引くと、高さ約12メートル、重さ約20トンの巨体が動いた。
引き手として地元住民や観光客が連なるのが恒例だが、コロナ対策のため、山町の関係者のみが事前に抗原検査を行い、約1メートル間隔で綱を引いた。
狭い路地で、でか山の方向を転換する「辻廻(つじまわ)し」が行われると、見守った市民から拍手が湧き起こり、まちなかには一足早く祭りムードが漂った。
両町の関係者は「ようやくここまで来た。コロナ対策を万全にして祭り本番に臨みたい」と気を引き締めた。2日は市中心部8カ所での人形見や魚町の試し曳きが行われる。