木曽郡木曽町福島で23日夜、重さ約400キロの木製みこしを縦横に転がす「みこしまくり」が行われた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で3年ぶり。担ぎ手の男衆が町内を練り歩き、みこしを路面にたたきつけると、見物客が歓声を上げた。
水無(すいむ)神社例大祭(22、23日)の最大の見せ場。出稼ぎの兄弟が戦火からご神体を守ろうと、岐阜県から故郷の木曽へ運んだ故事にちなむ。男衆は兄弟の名に由来する「宗助(そうすけ)、幸助(こうすけ)」のかけ声に合わせ、みこしを豪快に転がした。
縦方向に転がす「縦まくり」では、ひときわ大きな音が響いた。見物客は迫力満点の光景をスマートフォンで撮影。剥がれ落ちた破片は厄よけになるとされ、男衆が拾っては見物客に配っていた。
幼子2人に故郷の祭りを見せようと横浜市から帰省した毛利紅望(くるみ)さん(31)は「3年ぶりでも変わらない迫力。地元の自慢のイベントです」と話していた。