福井県福井市の福井県立音楽堂の開館25周年を記念し、ミュージカル「雪の女王」(福井新聞社後援)が9月19日、同音楽堂で上演された。著名な俳優陣に加え、オーディションで選ばれた県民がダンスや合唱で熱演、会場は熱気で包まれた。
主催した県文化振興事業団が、デンマークの童話作家アンデルセンの「雪の女王」を基に制作。雪の女王に連れ去られた少年カイを探しに、少女ゲルダが旅に出る物語を披露した。
語り手を俳優の鶴見辰吾さん、雪の女王を元宝塚歌劇団雪組トップスターの水夏希さん、主人公ゲルダを福井にゆかりのある佐桑有香さんが演じた。
エレキギターとパイプオルガンによる迫力ある演奏で幕開け。パイプオルガンを氷の城に模し、白で統一された冠やドレスを身に着けた女王が登場すると、観客は一気に童話の世界に引き込まれた。
オーディションで選ばれた10~70代の県民60人は、村人や花の精、山賊の役などを演じ、さまざまな場面で登場。「はよ、しねまー」など、福井の方言を使ったコミカルなシーンもあり、舞台を盛り上げた。
ゲルダがカイを救うため歌い上げるクライマックスの場面では、観客がくぎ付けになり、会場は大きな拍手で包まれていた。
母親と訪れた児童は「近くで見るミュージカルは、映画と違ってすごかった。自分もミュージカルをやってみたいと思った」と話していた。