"放浪の天才画家"山下清(1922~71年)の生誕100年を記念した「山下清展 百年目の大回想」(福井市美術館、福井新聞社、福井テレビでつくる実行委員会主催、福井信用金庫特別協賛)のギャラリートークが9月24日、同館であった。学芸員が初期から晩年までの作品の変遷や制作についての逸話を語った。
清は3歳で高熱によって言語障害を発症し、12歳で転校した養護施設で貼り絵に出会った。学芸員は初期から晩年までの作品を一枚ずつスクリーンに投影して説明。放浪中は画材を持ち歩かず帰ってきてから、記憶に頼って作品を作っていたことなど制作にまつわるエピソードを紹介した。戦時中の作品「ともだち」の一部で古い切手を使っていることや「長岡の花火」では花火の部分にこよりを使って表現していたことなどを説明した。
約40人が参加。越前市の女性は「水面や花などの繊細な表現方法から優しい感性が伝わってきて感動した」と話していた。
山下清展は11月6日まで(休館日あり)。ギャラリートークは10月1、9、16日の午後2時から行われる。先着40人。