北陸最大級の古着フェス「SURIFT(スリフト)」が10月22、23日、福井県福井市の新栄商店街周辺で開かれる。昨年度の初開催から6回目で、若者を中心に毎回1万人を超える来場者を集めるイベントとして定着。主催する古着店主は「自分の個性を発揮する場としても楽しんでもらいたい」と話している。
主催するのは、新栄商店街の「古着屋ホッパー」代表、濱さん。古着に親しむ文化を広めたいと昨年5月に市中央公園で初めて開催すると、雨天で1日のみとなったものの2万人余りが来場した。春と秋の定期開催につながり、今年4月には中央公園に県内外の40店余りが出店。さまざまなジャンルの古着のラックが芝生広場に並ぶ「フェス」のような雰囲気となった会場が、個性豊かなファッションに身を包んだ若者でにぎわった。
濱さんは「とりあえずやってみようと始めたが、想像をはるかに超える来場があって驚いた。最初はSNS(交流サイト)などで県内外の古着店に出店交渉していたが、今では出店希望が寄せられるまでになった」と振り返る。回を重ねるごとに規模を拡大し、7月には初の県外会場として金沢市でも開いた。
「保守的な福井だからこそ、個性的な格好をしてもいいんだという場も求められていたと思う」と濱さん。イベントをきっかけに新栄商店街の店舗に足を運ぶ県内外の若者も増えたといい、イベントではおしゃれな格好の人をSNSで発信する「スナップ」企画も実施するなど、福井のファッション文化の裾野を広げようとしている。
スタイリストを志し県外の専門学校で服飾を学んでいた時に、それぞれの時代や地域を反映した技術や形など、単に古いだけでない一点物である古着の奥深さに魅了され、3年前にUターンし開業。商店街では「裏路地フェス」を昨年11月に復活させるなど、古着だけでなく各店舗の魅力発信にも力を入れる。
濱さんは「他の人とかぶらない、自分の個性を出しやすいという古着の魅力が、若い人を中心に再認識されているんだと思う。魅力をもっと多くの人に伝えられるよう、フェニックスまつりのような、みんなに親しまれるイベントにしていきたい」と話す。
スリフトでは、今後の定期開催に向け随時スポンサーを募っている。問い合わせはスリフトのインスタグラムアカウントから。