福井県若狭地方の伝統食「にしんのすし」の出荷が10月24日、小浜市遠敷のJA福井県若狭基幹支店小浜加工センターで始まった。ニシンは例年より大ぶりのものを使ったことで、さらに風味が増しているという。12月中旬に出荷のピークを迎える。
園芸振興課の清水課長補佐によると、にしんのすしは北前船に由来する保存食。正月の定番料理として長年地域に愛されてきた。少量生産は難しいため核家族が進んだ近年、家庭では作られなくなってきているという。
製法は2日間塩漬けしたダイコンと、身欠きにしんを、米こうじ、みりん、トウガラシと一緒に12日間たるで漬け込み発酵させる。
出荷作業は午前8時半から職員2人で始めた。たるから厚み1センチほどの半月切りのダイコン、ニシン2切れを取り出し手際よくパック詰めしていった。加工台にはずらりとパックが並び、この日だけで160パックを出荷した。
清水さんは「ダイコンのできが良くいい味に仕上がった。これから寒くなることで甘みがさらに増しおいしくなる」と話している。 お水送りがある3月上旬まで生産し、出荷量は昨年比で20%増の1・2トンを予定している。1パック250グラムで486円。小浜市内のAコープやJA直売所で販売する。