安曇野市穂高の碌山美術館は17日、修繕が終わった国登録有形文化財「碌山館」を披露した。クラウドファンディング(CF)で修繕費を募ったところ、目標を大きく超える寄付が集まった。関係者や寄付者ら約40人が見学し、新たな門出を祝った。
教会風のれんが造りの碌山館は同市出身の彫刻家、荻原碌山(本名守衛(もりえ))の作品を展示するため1958年に開館。築後60年余を経て壁のひび割れや雨漏りが目立つようになっていた。新型コロナの感染拡大で運営は厳しく、7~8月にCFで資金を募集。県内外の1088人から目標の700万円を大きく超える2370万円余が寄せられ、11~12月に工事をした。
寄付者からは「小学生の頃に寄り道して遊んだ」「日本の彫刻界の聖地です」といったメッセージも寄せられたという。公益財団法人碌山美術館の高野博代表理事(74)は「ゆとりと温かさを感じられる美術館でいられるよう努める」とあいさつした。
◆
【関連記事】
■美術館を守ろう CFで広がる支援の輪、改修や展示充実に 中信の文化施設で予想超える反響
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2022111700062