福井県福井市の市自然史博物館分館セーレンプラネットで、特別展「ディスカバリー 宇宙発見の旅」が開かれている。地球が丸い星であることに気付いた古代から、地球から遠く離れた天体を発見していった近代、現在も大きくなり続ける宇宙の姿を捉えた現代まで、未知の世界の発見の歴史をパネルや模型などで紹介。担当者は「人類がいかに自分の世界を認識していったか知ってもらいたい」と話している。
パネルで宇宙発見の歴史を五つに分けて紹介。海岸から遠く離れた船の見え方や月食の様子から地球は丸い星だと考えられるようになった古代ギリシャから、地球の大きさが計測された紀元前3世紀のころへと時系列をたどっていく。
全ての天体が地球を中心に回っているという「天動説」から、地球は太陽の周りを回る一つの星であるという「地動説」への変遷についても解説。1600年代に世界初の天体望遠鏡を発明したガリレオは、天の川がたくさんの星の集まりであることや月にも地形があることを発見。その中で発見された木星の衛星は、地動説への転換の大きなきっかけにもなった。
このほか、望遠鏡の進化によって発見されていった星団や銀河、宇宙そのものが今でも膨張して大きくなり続けていることの発見などを細かく解説している。
ガリレオの望遠鏡の精密復元模型や小惑星探査機「はやぶさ2」がリュウグウから持ち帰ったサンプルのレプリカ、月の満ち欠けを体験できる展示もある。
長谷川哲郎分館長は「宇宙発見の歴史は、世界の常識を一変させるような発見をたどってきた"旅"のようなもの。見たり触ったりできる展示もあるので、魅力を体感してほしい」と話した。
1月15日まで。年末年始や火曜など休館。1月2、3日は特別開館する。常設展観覧料を含み一般410円、高校生以下や70歳以上は無料。午前9時半~午後5時半(土曜、祝前日は同8時まで)。問い合わせはセーレンプラネット=電話0776(43)1622。