明治天皇の「御真影」を撮ったことで知られる福井県福井市出身の御用写真師、丸木利陽(りよう)(1854~1923年)の没後100年を記念した回顧展が3日、福井市の県立歴史博物館で始まった。丸木やその弟子が撮った皇族や政治家、学者、文化人らの写真34点が並ぶ。5月9日まで。
丸木は21歳で上京して写真技術を学び、26歳で写真館を開業。88年にイタリア人画家が描いた明治天皇の肖像画を撮影し、89年には昭憲皇太后の肖像写真を撮った。ともに御真影として全国に下賜され、御用写真師の名声を得た。
回顧展には明治天皇と昭憲皇太后の御真影をはじめ大正天皇や幼少期の昭和天皇の写真、ローブ・デコルテなどドレス姿の女性皇族の写真も並ぶ。
伊藤博文や板垣退助、福沢諭吉、徳川慶喜らの写真も展示。時の有力者に重用され、撮影を任されたことがうかがえる。斜め45度から照明を当てて顔の陰影を強調する「レンブラント・ライティング」が特徴。表情に威厳を与えている。
会期中休館日あり。一般・大学生100円。