松本市の中町商店街振興組合が21日、商店街一帯の歴史に焦点を当てた初のウオークラリー「中町歴史スポット探し」を始める。江戸時代以降の古い蔵や建物が現存する街並みを生かし、歴史に触れながら商店街を歩いてもらう。課題となっている冬季の集客にもつなげたい考えだ。
商店主らの組合員から自薦、他薦があったうち12カ所を歴史スポットに選定。参加者が各スポットを回って集めたキーワードを台紙に書き込んで組合事務局に提出すると、組合員が扱う漆器や地酒、スイーツなどが抽選で当たる仕組みだ。参加無料。期間は31日まで。
商店街は女鳥羽川に近い東西400メートル区間に100店余が軒を連ねる。スポットは、江戸や明治期の火災で焼失を免れた築約160年の元呉服店や、明治初期の創業当時のカウンターやはりが残る酒店など。各スポットの説明とキーワードのうち1文字を記したボードを店頭に設置する。
同振興組合によると、以前から冷え込みが厳しい冬場は人通りが夏場の半分以下に減っていた上、新型コロナの感染拡大が落ち込みに拍車を掛けた。通りを歩く人は回復傾向にあるが、イベントを誘客の起爆剤にしたい考えで、期間中の27~29日に市内で開かれる「氷彫フェスティバル」との相乗効果にも期待を寄せる。
イベントには新型コロナ下で打撃を受けた商店街を支援する国の補助金約200万円を充てる。組合副理事長の松尾昭さん(60)は「歴史に触れながら、地元の人も観光客も街歩きを楽しんでほしい」と話している。