2024年春の北陸新幹線福井県内開業を見据え、長野県軽井沢町の軽井沢観光協会は2月6日、同町と福井県との連携協定に基づき9事業を展開していくと発表した。軽井沢に別荘を所有する富裕層をあわら温泉に招くモニターツアーや、軽井沢の水を使って福井県内で醸造した日本酒の販売を今春に開始するなど、観光や文化、健康を切り口にビジネスや地域間交流を進める。
同協会の土屋芳春会長ら9人が福井市内で会見を開いた。モニターツアーは「美と健康」をテーマに1泊2日の日程で4~9月にかけて2回実施する予定。別荘所有者の間で人気が高まっているという訪問型の鍼灸(しんきゅう)師やストレッチトレーナーが帯同し、あわら温泉で施術やエクササイズを実施するという。
福井の地酒「越の鷹」の伊藤酒造(福井市)は、新幹線延伸までの限定的な取り組みとして、県内の酒米と軽井沢の清流から運んだ水を使った純米大吟醸酒を醸造。ラベルのデザインは軽井沢在住の漫画家新條まゆさんが担当した。3月から約1200本(720ミリリットル)を5千円程度で販売する予定で準備を進めている。同社の伊藤康晴代表は「福井の水とはまた違う、うまみの強い酒に仕上がった」と話している。
来春には、越前市かこさとしふるさと絵本館と連携した「かこさとし展」を軽井沢絵本の森美術館で開く予定。あわら温泉と軽井沢双方の宿泊施設の利用を促すキャンペーンなども計画している。