福井県小浜市の若狭神宮寺周辺で3月2日に営まれる伝統行事「お水送り」に向け、小浜美郷小児童は2月12日、自分たちが担ぐ子ども用たいまつを同校で作った。長さ2・7メートルの巨大たいまつ5基を完成させ、伝統の担ぎ手としての思いを強くした。
例年、同校6年生児童がお水送りに参加し、子ども用のたいまつを担いでいる。この日は児童53人が参加。お水送り保存会や事前に作り方を学んだ保護者から教わりながら作業を進めた。
5グループに分かれ、燃えやすいようにろうを染み込ませた縄を巻いた棒を芯に、乾燥させたシバやスギの葉を束ね、周囲を5枚のスギの板で囲むようにしてひもでまとめた。
児童は「板から枝葉がはみ出さないように」「束ねるひもの位置をそろえて」などと教わりながら、約1時間ほどかけ材料をびっしり詰めたたいまつの形を整えていった。最後にたいまつを囲む板に「家族が幸せになりますように」「中学校生活が楽しくなりますように」など夢や願いを書き込み完成させた。児童は出来上がったたいまつを4~5人で"試し担ぎ"し、本番へ向け思いを新たにした。
今年初めてお水送りに参加する西尾亮哉君は「たいまつ作りはみんなで協力し楽しくできた。小浜の伝統行事に参加でき誇りです」と話していた。
お水送りは新型コロナウイルス感染拡大防止のため2年連続で一般の見学、たいまつ行列を見送ってきたが、今年は規制せずに行う。