松本市埋橋の「石井味噌(みそ)」のみそ蔵を見学し、みそ料理を味わうガイドツアーが、優れた食体験事例を表彰する農林水産省の「食かけるプライズ２０２２」で大賞に次ぐ「食かける賞」を受けた。昔ながらの醸造法を守り、みその奥深さとおいしさを伝える努力が評価された。

　同社は国産の大豆とコメを使い、酵母菌や乳酸菌が生きる杉おけで天然醸造を続けている。ツアーでは、大きなおけが並ぶみそ蔵を石井康介社長（６２）が案内し、人気商品の「信州三年味噌」を使った豚汁や焼きおにぎりを提供する。みその歴史などを英語で解説するパネルも展示し、石井社長は「昔ながらのみそ造りの手法と考え方を伝えている」と話す。

　同社は今後、英語のガイドを増やすなどツアー客の受け入れ態勢を強化する考え。石井社長は「これから増える訪日外国人客にみその魅力を広めたい」としている。

　食かけるプライズ２０２２は全国から１０１件の応募があり、計１０件が入賞した。