朝倉氏が清水寺に寄進した法華三昧堂が描かれた屏風図などが展示されている特別展=3月1日、福井県福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館

朝倉氏が清水寺に寄進した法華三昧堂が描かれた屏風図などが展示されている特別展=3月1日、福井県福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館

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東山文化と朝倉氏、重文含む80点 福井で開館記念特別展

福井新聞(2023年3月2日)

 昨年10月に開館した福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館の記念特別展第2弾「東山文化と朝倉文化」が3月1日、福井市の同館で開幕した。朝倉氏が当時最高峰の京文化を吸収し、越前で発展させていったことを、重要文化財約40点を含む資料約80点で紹介している。5月7日まで。

 東山文化は、室町幕府の8代将軍足利義政が築いた慈照寺銀閣を象徴に、武家、公家、禅僧の文化が融合した。朝倉氏の初代孝景、2代氏景、3代貞景の京都での足跡を示す資料は多く、今回は貞景が絵師に洛中の屏風(びょうぶ)図を描かせたことが分かる公家の日記「実隆公記」(東京大学史料編纂所蔵)を展示。実物は確認されていないが、日本初の洛中洛外図だった可能性があるという。

 貞景が京都の清水寺に寄進し、江戸時代に焼失した法華三昧(さんまい)堂が描かれた東山名所図屏風(国立歴史民俗博物館蔵)も紹介され、往事の姿が確認できる。

 朝倉氏遺跡では、東山文化で重視された唐物(からもの)と呼ばれる中国産の陶磁器や工芸品が多数出土しており、その一部も展示。古くから越前で生産され、朝倉氏の下で発展した漆器の出土品も並んでいる。鯖江市河和田地区の職人が復元した漆器を並べ、朝倉氏の5代義景と将軍足利義昭の宴を再現したコーナーもある。

 3月31日、4月21日は展示替えのために特別展は休み。一般1200円、70歳以上700円、高校生800円、小中学生500円。

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