川上村の画家、油井祥子さん(31)の作品展「雪が溶けたらなにになる?」が2日、佐久市の元麻布ギャラリー佐久平で始まった。同市の野沢南高校を経て東京芸大で油絵を専攻し、2019年に卒業。21年に帰郷して実家の農業を手伝いながら制作を続けている。確かな技術に裏打ちされた風景画にはファンが少なくなく、初日からにぎわった。
高校生当時、既に鑑賞者から作品を譲ってほしい―との声が寄せられていた油井さんは、高い画力や独特の世界観が特長。高校卒業後、「5浪」した後に東京芸大へ進み、さらに腕に磨きをかけた。
帰郷後、農繁期には午前3時ごろからレタスなどの収穫に当たり、「毎日違う朝焼けを見る。きれいだと思うと描きたくなる」と画業への良い影響が出ているという。今回は近作の油絵を中心に20点余を展示。山を覆う雲を、風を受けて動いているように表現した大作「風」や、夕暮れの穏やかな海を描いた大作「いつか海になる」などがあり、来場者が足を止めて見入っていた。
15日まで。午前11時~午後7時。木曜休み。入場無料。
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