福井県内に生息するほ乳類の剝製などが並ぶ特別展=4月7日、福井県福井市自然史博物館

福井県内に生息するほ乳類の剝製などが並ぶ特別展=4月7日、福井県福井市自然史博物館

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ズラリ福井のほ乳類 自然史博で剥製や標本50種展示

福井新聞(2023年4月11日)

 シカにクマ、イルカまで-。福井県内に生息するほ乳類にスポットを当てた特別展「あつまれ! 福井の動物たち」(福井新聞社後援)が、福井市自然史博物館で開かれている。大きさや毛の質感などが分かる約50種類の剥製、標本を通して、福井の自然が育む豊かな生態系の一端に触れられる。5月28日まで。

 世界には約5500種類のほ乳類がいるとされる。県内では、海から山までさまざま環境条件がそろった自然の中で多様な動物たちが暮らしていて、日本に生息する約160種類のうち、4割程度に当たる66種類がこれまでに確認されている。

 大型のツキノワグマやカモシカ、イノシシから、リスやモグラなどの小型動物までが一堂にそろった会場は、野性味あふれる迫力満点の空間。よく目撃時に間違えられるというタヌキとアライグマや、イタチとテンは剥製を並べることで、大きさや毛並みの違いを一目で確認できる。

 県内だけで何種類もいるコウモリやネズミの多様性、毛皮などに使うため持ち込まれた外来種の広がりが感じられるのも見どころの一つ。同館のボランティアグループが作製したイルカの骨格標本や県内各地で撮影された映像もある。

 100年以上前に絶滅したニホンオオカミの頭骨も並べる。4月30日まで並ぶ国立科学博物館所蔵の頭骨は、1800年代に松岡(永平寺町)藩主が領民に贈ったものとの言い伝えがある。5月2日からは、鯖江市の民家から寄贈を受けた頭骨に入れ替える。

 パネルなどを通して絶滅や獣害、外来種などほ乳類を巡る多様な問題にも迫る特別展。学芸員は「よりよい動物たちとの関係性を考えてもらうきっかけにもなれば」と話している。

 午前9時~午後5時15分。入館料100円(中学生以下など無料)。会期中は月曜休館。県内66種類の生息状況をまとめた図鑑も会場で販売。問い合わせは市自然史博物館=電話0776(35)2844。

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