松本市の重要無形民俗文化財に指定されている市内6神社の御柱祭が、4月下旬から5月上旬にかけて行われる。いずれの神社も7年目に1度行われる諏訪地域の御柱祭の翌年に開催。地元の山から切り出した木を引き回す「里曳(び)き」や、境内に立てる「建て御柱」などで地域を熱く盛り上げる祭りを、氏子らは心待ちにしている。
今月23日は島立の沙田(いさごだ)神社が山から御柱を運び出す山出しを行う。29日はいずれも入山辺にある大和合(おおわごう)神社、橋倉諏訪神社、宮原神社で建て御柱がある。神田地区と里山辺の林地区が関わる千鹿頭(ちかとう)神社は5月3日に、里山辺の須々岐水(すすきがわ)神社は5日に里曳きと建て御柱を行う。須々岐水神社では前日の4日、県宝の「お船」と呼ばれる山車が地域を巡る春季例大祭「お船祭り」も行われる。
里曳きなどを前に、千鹿頭神社や橋倉諏訪神社近くの道沿いには山から切り出された御柱が仮置きされている。千鹿頭神社の御柱の周りや、橋倉諏訪神社近くの民家前などには御柱祭開催を知らせるのぼり旗が立てられ、祭りの雰囲気を高めている。
橋倉諏訪神社の御柱祭で現場の指揮を担う杣頭(そまがしら)の武井則雄さん(57)は「待ち遠しかった日がいよいよやってくる。思い出深い行事にすることで伝承されていくと思う」。同神社氏子総代長の小出晃永(てるなが)さん(71)は「事故なく無事に建立したい。住民の絆を強める機会になればいい」と話している。