福井県福井市の越廼漁協が海水養殖に取り組むサクラマス「こしのさくらます」の今季3度目の水揚げ作業が4月25日、同市の茱崎漁港で行われた。約5カ月間海で育った約50センチのサクラマス約200匹を水揚げした。今季は約1200キロ(約600匹)の出荷を見込み、初めて鮮魚でも販売する。
海水養殖は漁閑期の冬季に取り組む事業で、将来の担い手確保を目指し2018年から実施している。海水で育てたサクラマスは寄生虫の心配が少なく、刺し身でも食べられるのが特徴。
今季は長野県内から仕入れた600匹の稚魚を12月に同漁港のいけすに放流。生育が良く、昨季より早く3月下旬と4月上旬に水揚げしている。
この日は同漁協組合員ら約10人がいけすから網ですくい上げ、作業台で手際よく締めていった。その後、同市内の加工場で冷凍真空パックなどに加工された。5月中旬にかけ2回に分けて水揚げし、福井市と敦賀市、金沢市の市場で鮮魚として販売する。
このほか福井市内でこしのさくらますを使った料理を提供する飲食店5店を募集し、6月から提供する。同漁協の組合長は「徐々に品質も良くなり、鮮魚での販売までこぎつけることができた」と話した。