日本海と松本平を結ぶ交易路「旧千国(ちくに)街道」(塩の道)を歩く催し「第44回 塩の道祭り」が3日、小谷村で開かれた。新型コロナウイルスの流行で2020年と21年は中止、22年は規模を縮小し、4年ぶりに従来の内容に戻した。県内外から約2500人が訪れ、春のぬくもりを感じながら約9キロ歩いた。
参加者は小谷村下里瀬(くだりせ)を朝に出発。県宝の牛方(うしかた)宿や石仏群など旧跡をたどり、栂池(つがいけ)高原を目指した。村商工会の若手や子どもらは、塩を運ぶ袋を背負った歩荷(ぼっか)や、赤ふんどしの飛脚に扮(ふん)して歩いた。
道中の休憩所では、4年ぶりに村民がみそ汁や漬物などを振る舞い、民謡や和太鼓の演奏も披露。村役場で漬物などを振る舞った中田真麻さん(49)は「参加者がたくさん来てくれて村がにぎわった」と笑顔だった。
安曇野市の実家に帰省中の東京都北区のパート従業員山本由美さん(42)は家族4人で初めて参加。「未舗装の道で当時の人がどんな苦労をしたのか思いをはせた」と話した。