砂を入れた「もっこ」を担いで気比神宮へ向かう一浄上人(先頭)=5月14日、福井県敦賀市曙町

砂を入れた「もっこ」を担いで気比神宮へ向かう一浄上人(先頭)=5月14日、福井県敦賀市曙町

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18年ぶり「お砂持ち」 敦賀・気比神宮で故事再現

福井新聞(2023年5月16日)

 時宗に鎌倉時代から伝わる神事「遊行(ゆぎょう)のお砂持ち」が5月14日、18年ぶりに福井県敦賀市の気比神宮などで営まれた。新たに就任した時宗法主が僧や稚児らの行列とともに同神宮の池まで砂を運び、故事を再現した。

 「遊行のお砂持ち」は、時宗の二祖真教上人が1301(正安3)年、気比神宮を参拝した際、沼地で参道整備が進まないことを知り、自らが土砂を運搬する「もっこ」を担いで海辺の砂を運び、賛同した神職や僧、信者ら大勢が加わり、参道は立派になったという故事に由来する。

 今回は2022年1月、法主に就任した75代一浄上人が、僧や稚児200人とともに布教の拠点だった西方寺跡地のキッズパークつるが付近を出発。雨の中、「お砂持ち」で整備した参道とされる神楽通りなどを練り歩いた。一浄上人は、気比神宮交差点にある遊行上人銅像前に設けた砂場で「お砂とり」し、砂を入れた「もっこ」を担いで同神宮へ。大鳥居横にあるハス池に「お砂まき」し、僧が「お砂ならし」する様子を手を合わせて見守った。その後、同神宮の氏子や時宗の僧らが次々と砂を運び込み、住民が総出で行った故事を現代によみがえらせた。

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