水上さんと生前に交流があった画家の絵画が並ぶ収蔵品展=福井県おおい町岡田の若州一滴文庫

水上さんと生前に交流があった画家の絵画が並ぶ収蔵品展=福井県おおい町岡田の若州一滴文庫

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水上勉さんの画家との交流示す21点 おおい町の若州一滴文庫で収蔵品展

福井新聞(2023年5月18日)

 福井県おおい町出身の直木賞作家、水上勉さん(1919~2004年)が収集した絵画を並べた収蔵品展「水上勉の集めた美術の粋」が6月5日まで、同町岡田の若州一滴文庫で開かれている。水上さんと生前に交流のあった画家が描いた版画や油彩画など21点を展示。作品を通して水上さんの審美眼や画家とのつながりが垣間見える。

 水上さんが集めた約500点の収蔵品から数十点を毎年公開している。

 版画家・関野準一郎さん=青森=の「京の町屋」は、水上さんの本の装丁用に作られた版画。京都の町並みがカラフルな色使いで表現されており、水上さんは「(版画に)ぬくもりがあるので好きである。それにどこかに寂寞(せきばく)があって心を打たれる」と評価している。

 幼い日の事故で両腕を無くした画家の水村喜一郎さん=東京=は、水上さんがすいた竹紙に絵を描いたことをきっかけに交流が始まった。雪景色に包まれる川沿いの家を表現した「金沢浅野川に沿って」は、同文庫広報誌の表紙絵に採用されている。

 少年時代の水上さんを想像で表現した横手由男さん=群馬=の油彩画、自由奔放な画風で裸婦を描いた水野朝さん=愛知=のデッサンなどもあり、個性的な作品が訪れた人の目を楽しませている。

 午前9時~午後5時。入館料は一般300円、高校生以下無料。火曜休館。問い合わせは同文庫=電話0770(77)2445。

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