福井県永平寺町内を走る自動運転車が21日、特定の条件下で乗務員も遠隔監視室からの操作も必要ない「レベル4」での運行を国内で初めて開始した。同町志比の停留所で記念式典があり、河合永充町長や、町と連携して事業を進めてきた西村康稔経済産業相ら国の関係者が出席し、門出を祝った。一般向けの営業運行は28日に始まる。
レベル4での運行が始まったのは遊歩道「永平寺参ろーど」の約6キロ区間のうち荒谷―志比間の約2キロ。町の委託を受けた「まちづくり会社ZENコネクト」が車両を運行する。
式典には豊田俊郎国交副大臣や杉本達治知事、県選出の国会議員ら約40人が出席した。西村経産相はあいさつで「この日を大きな一歩として、日本の自動車産業が世界を引き続きリードするよう応援することを誓う」と強調。河合町長は「利用者目線でのサービス向上や、企業間連携による新しい移動サービスが創出されることを期待している」と述べた。
テープカットの後、西村経産相や河合町長を乗せた第1便が出発。荒谷の停留所まで10分ほどの自動運転を体験した西村経産相は「非常に安全に運行しているという印象だった」と乗り心地を語った。今後の自動運転技術の向上を見据え「できるだけ早く完全自動運転のレベル5に上げ、世界を技術でリードするとともに、地域の課題に応える未来に向かって踏み出すスタートでもある」と述べた。
町が招待した一部住民も乗車した。
レベル4では乗務員はいない上、遠隔監視室の従事者は発進時の指示などを行うのみ。レベル3では天候の急変など自動運転が困難になった場合に従事者が操作に介入したが、レベル4ではそうした場合も車両が安全に停止するため、操作が不要となる。
28日以降は土、日曜、祝日の午前10時~午後3時10分に営業運行する予定。運賃は大人100円、中学生以下50円。