運転手なしでシステムが運行操作する「レベル4」の自動運転車による一般向け営業サービスが5月28日、福井県永平寺町で始まった。自動運転を体験した利用者は「観光利用に」「子どもやお年寄りの足に」と自動運転車の活用に期待していた。
運行は、大本山永平寺門前につながる歩行者と自転車の専用道「永平寺参ろーど」約6キロのうち、荒谷-志比間の約2キロ。定員6人と7人の電気自動車3台が、最高時速12キロ、片道を約10分で走る。初日は、午前10時の運行開始を待って観光客や地元住民らが自動運転車に乗った。自動運転車には運転手はおらず発進後、ゆっくりと走り出した。歩行者とすれ違う際には緩やかに減速した。
町内の実家に帰っていた福井市の男性は「音が静かで速過ぎず安心できた。子どもの通学やお年寄りの足として活用できるのでは」と話した。東京から観光に訪れた女性は「安心して景色を楽しめた。観光客向けの利用も進むといい」と感想を話した。
レベル4の自動運転車の運行事業は国内で初めて。町の委託を受け、まちづくり会社ZENコネクトが行う。運行に関わる作業は、遠隔監視室の従事者が発進時の指示を行うのみで他はシステムに任せる。運行は土日、祝日の午前10時~午後3時10分、20分間隔で走る。片道大人100円、中学生以下50円。
同社の担当者は、初日の営業でトラブルはなかったとし「多くの問い合わせがあり強い関心を寄せていただいている。安全第一で取り組みを進めていきたい」と話した。
27日には斉藤鉄夫国土交通相が視察に訪れ、乗車した。