9月の北國新聞創刊130年記念「第20回金沢おどり」(同実行委員会、一般財団法人石川県芸術文化協会、北國新聞社主催)に向け、日本舞踊西川流の西川千雅(かずまさ)家元(名古屋市)を迎えた稽古が4日、金沢市のにし茶屋街の検番で行われた。立方(たちかた)として出演するにしの芸妓(げいこ)は、西川家元の手ほどきで泉鏡花の作品をテーマにした舞踊絵巻の所作の習得に励んだ。
金沢のひがし、にし、主計(かずえ)町の三茶屋街の芸妓が総出演する金沢おどりは今年、「芸妓艶鏡花絢爛(あですがたきょうかけんらん)」と銘打ち、生誕150年を迎える鏡花の6作品を舞踊絵巻でつづる。2日から稽古に入った西川家元は、にし茶屋街が担当する「海神別荘(かいじんべっそう)」と「日本橋」の振り付けなどを指導した。
「海神別荘」は海神の世継ぎである公子と美女、侍女による海底ファンタジー、新派悲劇の代表作としても知られる「日本橋」は花柳界を舞台にした鏡花の世界をドラマチックに仕立てる。振り付けた西川家元は「いずれも芝居心が大切であり、皆が主役の舞踊になる。節目にふさわしい、集大成のような舞台にしたい」と話した。西川貴美子さんが稽古を支えた。
金沢おどりは9月15~18日に金沢市の県立音楽堂邦楽ホールで各日午後1時、同4時に開演する。