福井県敦賀市杉箸で、伝統野菜「杉箸アカカンバ」の収穫が6月6日、始まった。3月末に種をまいた春まき。生産組合代表の山口一夫さんが、丸々と立派に育った深みのある赤色の実を次々と引き抜いていった。
山あいの集落で150年以上前から守り伝えられてきた杉箸アカカンバは赤カブの一種で、しゃきっとした歯ごたえとほろ苦さが特徴。9月初旬に種をまく秋まきが年間生産量の9割を占める。春まきは加工食品の製造や需要増に対応するため、2013年に生産を始めた。
この日は朝から、3アールの畑で育った約25キロを収穫した。今年は成長に適した気温の日が多く例年より質が良いといい、収穫したアカカンバを手に取った山口代表は「最高の出来」とほほ笑んでいた。例年並みの約200キロの出荷を見込んでおり、7月初旬までに取り終える。
東京のイタリアン、フレンチレストランへの出荷が中心で、同市三島町2丁目のJA直売所「旬・ときめき広場」と同市砂流の市農産物直売所「ふるさと夢市場」でも販売される。山口代表は「県内外の多くの人に食べてもらい、おいしさを知ってほしい」と話した。