ホタルの幼虫を放流する児童や保護者=2021年9月、金沢市湯涌町の玉泉湖

ホタルの幼虫を放流する児童や保護者=2021年9月、金沢市湯涌町の玉泉湖

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ホタルの里、環境教育に 児童が幼虫飼育、放流へ 金沢・湯涌の玉泉湖

北國新聞(2023年6月21日)

 金沢市は2年前に「金沢湯涌ホタルの里」として整備した湯涌温泉の玉泉湖を、環境教育の場として活用する。湯涌小児童が9月からホタルの幼虫を学校で飼育・観察し、11月にも湖へ放流する。生き物の命や環境保全の大切さについて考えてもらう狙いで、地元関係者は「ホタルと触れ合い、地元への愛着をより深めてくれるといい」と期待する。

 玉泉湖は1周500メートルで、ゲンジボタルが6月中旬~7月上旬、ヘイケボタルが6月下旬~7月下旬に飛び交う。金沢ホタルの会によると、ヘイケは100~200匹、ゲンジは10~20匹ほど確認されている。

 玉泉湖は、来訪者が快適にホタルを観賞できるようにと、市が一昨年に周囲の遊歩道を舗装。転落防止柵にLED(発光ダイオード)照明を設置するなどして「金沢湯涌ホタルの里」として整備した。今年度は地元の湯涌小児童を対象に、教育の場としても生かすことにした。

 児童は9月、同会の新村光秀会長(70)からヘイケボタルの幼虫約100匹を無償で提供してもらう。学校で水槽に入れて1カ月半ほどかけて育てた後、無事に大きくなれば、11月ごろに玉泉湖に放流する。

 幼虫は約2ミリと小さく、水を入れ替える際に誤って流さないよう注意しなければならないなど、新村さんに飼育のこつも教えてもらう。餌は市職員や地元の保護団体「湯涌ぴかりん隊」が用意するカワニナを与える。

  ●24日に観賞イベント

 湖では、ぴかりん隊が数年前からホタルの幼虫の放流に取り組んでいる。湯涌温泉観光協会もホタルの里の魅力向上へ「湯涌ホタルNIGHT」と題する観賞イベントを開いており、今年は24日に予定する。

 新村会長は「身近な所に『宝物』が残されていると実感し、ふるさとの良さを再認識する機会になるといい」と語った。市環境政策課の担当者は「自然豊かな場所で生き物の大切さを学んでほしい」と話した。

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