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丸3年で入館200万人へ 金沢港クルーズターミナル 15日にも達成、多彩な催しで集客

北國新聞(2023年7月13日)

 2020年6月1日にオープンした金沢港クルーズターミナルの入館者数が11日時点で199万人を超え、15日にも200万人に達する見通しとなった。金沢のまちなかにある「しいのき迎賓館」など、県の主要観光施設より早いペースでの達成は確実で、関係者は「コロナ禍でクルーズが来ない期間が長かったのに」と快進撃に驚く。指定管理者による多彩なイベント開催も集客に貢献し、海の玄関口は県内屈指のにぎわい拠点として定着を果たした。

  ●海の玄関口、県民にも定着

 クルーズターミナルの入館者数は、開館から約半年後の20年11月29日に50万人を突破し、1年半後の21年12月4日に100万人を超えた。15日は開館から1139日目となる。

 県の他の主要施設では、しいのき迎賓館が1283日、いしかわ動物園(能美市)は2024日で200万人を達成しており、ターミナルの集客力が際立つ。

  ●コロナ下の船出

 2015年の北陸新幹線金沢開業を機に、客船の寄港が急増したことを受け、県が無量寺埠頭(ふとう)でクルーズターミナルの整備に着手したのは18年のこと。広いCIQ(税関・出入国管理・検疫)エリアや展望デッキ、レストランなどを備えた施設が計画されたが、当初の入館者数の目標は「開業3年間で30万人」だった。

 現在のようなにぎわい拠点化は想定しておらず、日本海が荒れる冬場は客船が来ないことなどを考慮した数字だったという。

 加えて、完成時には新型コロナが猛威を振るっていた。本来の用途である客船寄港がない、視界不良の中での「船出」となった。

 状況が一転したのは開業後だ。指定管理者のKCSコンソーシアムが中心となって、地元向けの集客に注力。ベイサイドコンサート、観光情報を紹介する「クルーズ旅マルシェ」などのイベント、貸し館事業を通年で盛んに展開した。

 貸し館では、眺望の良い展望デッキを活用した地元の保育園や幼稚園の運動会、ヨガ教室、スケートボードやBMXなど「アーバン(都市型)スポーツ」の祭典、自動車の展示販売会などが開催された。県港湾活用推進室の担当者は「ターミナルが建つ前には見られなかった親子連れや女性が港を多く訪れるようになった」と変化を語る。

  ●指定管理の成功例

 民間らしい自由な発想による多彩なイベントで集客が進んだ結果、指定管理者制度を導入している県施設の管理状況に関する評価結果では20、21年度、最高評価を得た。にぎわい創出効果が認められ、昨年3月には国が港を核としたまちづくりを推進する「みなとオアシス」に登録された。

 昨年10月に入国制限が大幅に緩和され、今年3月から国際クルーズの受け入れが再開。外国客船が毎週のように着岸し、ターミナルはようやく本来の役割を果たしている。コロナ禍で単月の入館者が2万人を下回った月もあったが、3月以降は月平均7万2千人と好調を維持している。

 今年のクルーズ船の金沢寄港47本のうち、8月以降は20本が計画され、乗客定員2千人超のダイヤモンド・プリンセスなども含まれる。担当者は「にぎわいが続くよう、人を呼び込む工夫をさらに考えていきたい」と話した。

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