金沢市工芸協会の会員の若手作家20人が10、11月に県内で開催される国民文化祭(いしかわ百万石文化祭2023)に合わせ、市内8カ所のホテルで作品を展示する。まちなかのホテルと連携し、国内外の来訪者に金沢の工芸の魅力を伝える狙いで、市が企画した。陶芸や漆芸、染色、金工などの作家の感性が光る秀作を紹介し、文化の厚みを伝える。
市内8カ所のホテルは金沢ニューグランドホテル、ホテル日航金沢、ANAクラウンプラザホテル金沢、ホテル金沢、ANAホリデイ・イン金沢スカイ、金沢東急ホテル、金沢国際ホテル、ハイアットセントリック金沢。
市の「都心軸KOGEIプロムナード開催事業」(北國新聞社後援)の一環で、国民文化祭開催期間中の10月14日~11月26日に若手作家の作品を各ホテルに展示する。来年2月に80回の節目を迎える市工芸展(北國新聞社など後援)の周知を兼ねて実施する。
今月24日には金沢東急ホテルで展示作品の選考会が開かれ、若手作家20人が事業に参加するホテルの担当者に自身の作品のコンセプトや魅力を説明する。作品数は31点を予定する。
加賀象嵌(ぞうがん)作家の笠松加葉さん(42)はカモシカなどをあしらった花器を出展する予定で「コロナ下に明るい未来につながるようにとの思いを込めて制作した」と意欲を示した。
陶芸で冬の夜空を表現した大皿の展示を目指す遠藤絢子さん(33)は「初めて金沢に来る人に興味を持って見てもらいたい」と話した。