大町市の若一(にゃくいち)王子神社の夏祭りで23日、県無形民俗文化財の「子ども流鏑馬(やぶさめ)」が行われた。市内10町(町会)から1人ずつ選ばれた射手10人が、華やかな衣装で馬にまたがり、的を目がけて矢を放った。
射手は氏子の10町から選ばれる習わしだが、少子化の影響で、祖父母が市内にいるなど地縁のある東京都内や松本市の男児も参加。おしろいで化粧をした6~10歳が馬に乗り、「ハオ、ハオ」という大人のかけ声とともに市街地を練り歩いた。
JR信濃大町駅前では、射手が弓をかまえるたびに沿道の見物客は静まり、的に命中すると拍手と歓声が上がった。射手を務めた大町西小学校4年の太田大介君(9)は「矢が的に当たって気持ちが良かった。かっこいい射手になれたと思う」と笑顔だった。
妻と訪れた千曲市の会社役員山口民憲さん(76)は「一生懸命に弓を引く子どもがかわいらしかった」と話した。