芸術祭の魅力を語る(左から)阿部さん、常盤さん、泉谷市長=北國新聞赤羽ホール

芸術祭の魅力を語る(左から)阿部さん、常盤さん、泉谷市長=北國新聞赤羽ホール

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「奇跡起こすアート感じて」  常盤貴子さん、奥能登国際芸術祭の魅力語る  「らんまん」の作曲家・阿部海太郎さん

北國新聞(2023年7月26日)

  ● 金沢でプレイベント  

 珠洲市全域で催される奥能登国際芸術祭2023(北國新聞社特別協力)のプレイベントは25日、金沢市の北國新聞赤羽ホールで行われた。芸術祭に出演する俳優・常盤貴子さん=北國新聞でエッセー「月がきれいですね」連載中=と、作曲家・阿部海太郎(うみたろう)さんが泉谷満寿裕珠洲市長を交え、開幕まで2カ月を切った芸術祭の魅力を語り合った。来場者は地震からの復興を目指す珠洲に活力を生むアートの祭典を心待ちにした。

  ●珠洲で9月23日開幕 

 常盤さんと阿部さんは会期中の2日間、スズ・シアター・ミュージアムで開催される「さいはての朗読劇」に参加する。常盤さんの夫である演出家の長塚圭史さんが構成・演出、阿部さんが音楽・企画を手掛け、常盤さんは朗読を披露する。

 常盤さんは前回の芸術祭で多彩な民具が並ぶ空間に、珠洲に根ざした映像や音楽が流れる「光の方舟(はこぶね)」を鑑賞した体験を振り返り、「予備知識もなく見始めたら、どんどん引き込まれ、涙が止まらなくなった。今まで見えていなかったものの価値に気付かされ、これこそ、奇跡を起こす芸術の力だと思った」と語った。

 その作品の音楽を担当した阿部さんは「芸術祭は珠洲の豊かな風土と一緒になってつくられている。さらに、『人の力』も大きく、芝居に出演したり、運営に携わる地元の皆さんはセンスが良く、大変感謝している」と述べた。

 泉谷市長は、芸術祭開催の可否を悩んでいた時、常盤さんの応援メッセージに勇気づけられ、前向きな決断につながったと紹介。地震後に発足した珠洲焼応援団の団長を務め、窯再建のボランティア活動にも従事した常盤さんは「珠洲は唯一無二の『光』を感じる特別な地域。芸術祭に足を運び、珠洲を応援することで来場者もアートの一部になる」と述べ、大勢の来場を呼び掛けた。

 阿部さんは、石川県出身の俳優・浜辺美波さんがヒロインを務める「らんまん」の音楽も手掛けており、トーク後にピアノ演奏を披露した。冒頭で泉谷市長が「アートで人と人、珠洲と世界がつながる魅力に気付いてもらいたい」とあいさつし、馳浩知事がビデオメッセージを寄せた。北川フラム総合ディレクターが芸術祭の概要を紹介した。

  ●潮騒レストランが特製ドリンク

 ロビーでは今年の芸術祭に合わせて珠洲市内に開店する「潮騒(しおさい)レストラン」が特製ドリンクを振る舞ったほか、ガイドブックや作品鑑賞パスポートの販売が始まった。芸術祭の会期は9月23日~11月12日となる。

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