石川県が11年かけて開発した酒米「百万石乃白」で造った日本酒

石川県が11年かけて開発した酒米「百万石乃白」で造った日本酒

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酒米「百万石乃白」生産2割増  石川県が開発 人気高く、醸造量も最多に

北國新聞(2023年8月4日)

 石川県が開発した酒米「百万石乃白(ひゃくまんごくのしろ)」の今年度の生産量が、前年度比2割増の約150トンとなる見込みであることが県などへの取材で分かった。すっきりとした飲み口に日本酒人気回復の期待がかかり、醸造量は131キロリットルと、百万石乃白を使った地酒が商品化された2018年度以降で最多を見込む。市場に本格デビューした20年にはコロナ禍の逆風に見舞われたが、昨今の会食需要の復活を好機と捉え、県は4日からミニボトルの販促キャンペーンを展開しファンの開拓を狙う。

 百万石乃白は県が11年かけて開発した独自品種。醸造した酒はすっきりとした味わいと、リンゴや洋ナシ、バナナのようなフルーティーな香りで、若者や女性にも人気がある。

 県酒造組合連合会によると、18年度の醸造量は22キロリットル、19年度は51キロリットルで、百万石乃白という名称が決まった20年度は89キロリットル、21年度は113キロリットルと右肩上がりに増えている。

 百万石乃白を使った各酒蔵の地酒は毎年完売するほど引き合いが多く、それに伴って作付面積も増加している。昨年度は大雨などの天候不良で収量が減り、醸造量は110キロリットルにとどまった。

 県内酒蔵が造る清酒の全体量に占める百万石乃白の割合は2%程度とまだ少ないが、県酒造組合連合会の担当者は「県内はもちろん、県外、海外にも通用する酒米。石川の酒として売り込むためにも増産したい」と話した。

  ●抽選で県産食材、飲食店でも実施

 県が4日に開始する百万石乃白のキャンペーンは、県内酒販店で300ミリリットル入りのミニボトルを購入すると、抽選で能登牛(のとうし)や加賀丸いもといった県産ブランド食材が当たる。飲みきりサイズのミニボトルは自宅用としても最近人気が高く、複数の酒蔵のボトルを買い求めて飲み比べる人も多いため、キャンペーン対象とした。

 コロナの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ5類に移行したことから、今回から店頭販売に加え、県内飲食店でもキャンペーンを実施する。対象店舗で百万石乃白のミニボトルを注文し、料理とともに撮影した写真をSNS(交流サイト)に投稿すると、抽選に参加できる。

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